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執筆者の写真つえ屋のえまのん

杖・ステッキの正しい使い方

更新日:2022年6月22日


杖の正しい持ち方をご存知ですか?

と言うわけで「杖やステッキの正しい持ち方」についてご案内していきます。


街で杖を突いた方を見てみると結構な確率で「間違った持ち方」をされた方を発見できます。お店でも杖をご購入いただく際に「杖の持ち方・握り方がわからない」というお話をよく聞きます。


杖の持ち方が悪いと、不要な力が手首や腕、肩や首などに影響し、余計に疲れてしまったり、身体を痛めたりと、よくないことばかりです…。

ぜひ、正しい杖の持ち方をマスターして、その杖本来の快適性能を味わってください!



■ファッションとしてのステッキ使用について

ファッションとしてのステッキに限ったことではありませんが、杖はは正しくお使いいただかないと思わぬ怪我をすることがあります。


この説明は重要です。しっかりお読みいただくことをお勧めします!


ファッションとしてのステッキ(装飾・アクセサリーとして製作された杖)は通常の歩行補助具や介護用、トレッキング用のステッキと異なりおしゃれなファッション性を追求した製品です。

装飾やアクセサリーとしての傾向が強いため、ステッキを持つことにより姿勢を整え「紳士然」「貴族然」とした意識を持ちより美しく歩くためにご使用ください。


ファッションとしてのステッキには「仕込杖」や「彫像杖」などがありますが、いずれも構造上極端に体重をかけた際に破損してしまうことがあり得ます。

(そもそも彫像杖は握りにくいですし…)

※仕込杖…杖の内部に杖以外の道具が内蔵された杖で主に持ち手が取り外せる構造。

※彫像杖…グリップ部分が人や生き物の彫像になっており主に細身の杖。


■「杖の正しい持ち方」と「間違った持ち方」

☆正しい持ち方(推奨される持ち方)

・「グリップを握り、支柱に指を添える」あるいは「人差し指と親指でグリップ前方を握り、残りの指でグリップ後方を握る」のが、いわゆる「正しい杖の持ち方」となります。



★間違った持ち方(怪我をしてしまう恐れのある持ち方)

・「グリップを前後逆さに持つ」「グリップの後方だけを持つ」「グリップの前方だけを持つ」などなど。

ともかく「正しい持ち方」をしていないと不要な力が手首にかかり痛めてしまったり、足への負担が大きく足を痛めたり、酷い場合はバランスを崩して転倒なんてこともあります。




■杖はどちらの手に持つもの?

「利き手」でしょ?と思った方は不正解です(笑)

杖を使用する場合は「足への負担を軽減すること」を目的としているため、「痛めてる(あるいは不自由な)脚」とは反対側の手に持つことが正しい杖の持ち方とされています。


理由としては『人間の構造上歩くときには手と足が交互に前に出るから』です。


つまり、不自由な方の足が前に出る時には、その反対側の手が前に出るので、右足が痛ければ左手に、左足が痛ければ右手に持つことが好ましいとされています。


…が、これはあくまでも「人間工学的にその方が理にかなっている」というだけで、かならず個人差が生まれます。 ですので、推奨は致しますがご自身で実際使ってみて楽な方の手で持っていただければ良いですし、お医者さんに掛かられているようであれば担当のお医者さんや理学療法士さんに相談してみるのも一つの方法です。


■使用上の注意

以上のような使用方法が基本的な持ち方ですが、杖をご使用の際は以下のような行為は危険ですので注意が必要です。


ダメ!★杖に体重を必要以上にかける/全体重を預けて使う


つえ屋が取り扱う一般的な杖の耐荷重は70kg程度なので、平均体重くらいの方なら特に問題はありませんが、杖の中には耐荷重がもっと低い物も存在しています

通常の使用で杖にかかる荷重は体重の1/5~1/3程度(「日本義肢装具学会誌」掲載論文より)とされており、70代男女の平均体重である60kgを基準とすると10~20kg程度となります。 この10~20kgの耐荷重丁度を前提とした杖が稀に存在しており、こう言った杖に全体重を預けてしまうと、杖が折れてしまったり曲がってしまったりと大変危険です。

どうしても全体重を預けて使用したい場合は「松葉杖」「アルミクラッチ(ロフストランド)」をご使用ください。


ダメ!★ストラップを手首に掛けない


ストラップは杖自体が転倒することを防ぐ目的ですが、そのストラップを手首に掛けずご使用されている方を多く見かけます。 ストラップを手首に掛けていないと、杖が転倒してしまいその杖を拾おうとして転ぶ…なんてこともありますし、ぶら下がったストラップに何かが引っ掛かって杖がすっぽ抜けてしまうことだってあります。

ストラップはしっかりと手首に通し、万が一転倒しそうにになった場合は、杖から手を放してください。


ダメ!★下り階段で下の段に杖を突く


階段を降りる際に杖を自分より下の段に突いておられる方を見かけてハラハラしてしまいます。 階段や段差で自分の立っている位置より低い場所に杖を突くと体制が前かがみなってしまい、落下や転倒のリスクが高まります

階段では手すりを使うか階段の昇降に対応した杖を使いましょう!


ダメ!★転倒時に杖をしっかり握っておく


ストラップのところでも書きましたが、万が一転倒しそうにになった場合は、杖から手を放してください。

杖を握ったまま転ぶとうまく手を突けないので骨折など、より大きなけがをしてしまう可能性があります!


他にも色々ありますが、杖を使う時は用途に合わせて使い分けたり、基本的なルールを守って使いましょう!(ご安全に!)


■杖を使いこなすための練習

なんでもそうですが、杖の持ち方をマスターするのにも多少の練習が必要です。

階段や坂道を「登る時」「降りる時」でどちらの足を先に出すべきか?それとも杖が先なのか?そういったことを頭で考えず、自然に杖を使えないと歩きにくいですよね。


まずはご近所の平坦な場所をお散歩などして使い方になれるところか初めて下さい。

「正しく」「楽しく」杖を使って、いつまでも快適な歩行を!



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